予防接種vaccination

予防接種について

予防接種のイメージ写真

細菌やウイルスなどの病原体からつくったワクチンを事前に身体の中に接種することにより、特定の病気に罹患しにくくなる、罹患したとしても症状が軽くて済む、といった効果が得られます。

ワクチンは、感染症の原因となる各種細菌・ウイルスの病原体を弱めたり、無毒化して作られます。
これを体内に注入することによって抗体が生じ、当該感染症に罹患しにくくなるのです。

予防接種の種類

予防接種には、法律に基づいて地方自治体(市町村など)が実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。
乳幼児期については定期、任意ともに幾つもの予防接種があります。

これに対し、成人期の予防接種については、定期接種は一部に限定されています。具体的には、主に65歳以上の方が対象のインフルエンザワクチンと、65歳以降の5歳ごとの節目年齢(65、70、75、80、85、90、95、100、105、110歳)が対象の成人用肺炎球菌ワクチンが知られています。

成人期の主な予防接種

インフルエンザ

一般的によく知られている風邪症候群のひとつであり、インフルエンザウイルスによる感染症です。
このウイルスに感染すると、1~3日程度の潜伏期間を経て発症し、高熱や悪寒、全身のだるさ、関節痛・筋肉痛、激しい咳、吐き気、下痢などの症状が現れます。
体調が悪くなり、多くの場合は寝込むようになります。

合併症がない場合、ほとんどの症状が2~3日で収まりますが、熱は5日程度、咳は10日以上続くこともあります。
感染力が強く、免疫力が低下している高齢者をはじめ、乳幼児、呼吸器や心臓疾患がある場合は肺炎を併発し、重症化することもあります。
入院が必要となったり、死に至ることもあります。

インフルエンザワクチン

インフルエンザを予防する手段として、特に有効とされているのがワクチン接種です。
接種してから予防効果が出るまでに約2週間かかりますが、その効果は約5か月間持続します。
通常、12~翌年3月頃の寒い時期に流行していますので、その前に予防接種を受けるよう心がけてください。

※インフルエンザワクチンの接種は、健康保険が適用されないので、原則として全額自己負担となります。
但し、65歳以上の方(特定の疾患を有する場合は60歳以上)は、予防接種法に基づき、費用の一部または全額を地方自治体が助成しています。

また、それ以外の方についても、自治体によっては助成を行っているケースがあります。
詳しくは、お住いの市町村(保健所・地域保健センター)にお問い合わせください。

肺炎球菌

肺炎球菌という細菌が引き起こす病気の総称です。
代表的な疾患は肺炎ですが、この他にも慢性呼吸器感染症や中耳炎、副鼻腔炎、敗血症、髄膜炎などを引き起こすこともあります。
肺炎球菌を保有している方の咳などに含まれており、この細菌が気管支を通じて肺に入り込むことによって感染が広がっていくのです。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぐには、ワクチン接種が効果的です。
近年は、抗菌薬に耐性をもったタイプも増えており、一度肺炎になってしまうと、治療が難しくなりかねません。
ワクチンによって事前に感染リスクを下げておくようにして下さい。

※肺炎球菌ワクチンは、すべての肺炎を予防できるわけではありません。
ワクチン接種後も、うがいや手洗い、口腔衛生など日常生活上の予防対策を怠らないでください。

※高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンは、予防接種法に基づく定期接種となります。
原則として、65歳以上で5年ごとの節目年齢(65、70、75、80歳など)について費用の一部または全額が助成されるのですが、自治体によって異なります。詳しくは、お住いの市町村(保健所・保健センター)にお問い合わせください。